140字小説。愛の形。

公園で。熱い女体。冷たい唇。r

2021/04/28

秋の夕暮れは速かった。
僕は公園のベンチで長い間彼女を待っていた。
今夜は夫の目から逃れた彼女を抱く日だった。
待った?
彼女が笑顔で僕の前に現れた。
僕は立ち上がり彼女の腰に手を回した。
柔らかな衣擦れの感触の下で女体が弾んでいた。
下半身を押し付けると彼女がキスしてきた。
冷たい唇だった。