140字小説。愛の形。

岬にて。不倫が終わる。r

2021/04/28

岬の先端に立っていた。
深い崖の下に白波が騒いでいた。
彼が私の唇を吸った。
甘かった。
唇を離し私たちは見つめ合った。
瞳の中に未来はなかった。
今日で終わりだね。
彼が言った。
そうね。
そう答えながら、彼が愛おしくなった。
でもさよなら。