140字小説。愛の形。

若く美しい母。輝く女体。r

2021/04/28

夕暮れの森の中の泉。
遠くでカナカナが鳴いている。
彼方の空は青くその下で雲が赤く燃えている。
泉の向こうで声がする。
ぼうや
ぼうや
死んだ若い母が手を差し伸べている。
水に濡れた薄衣の下の乳房が美しい。
僕は嬉しくて、切なくて、泣きながら駆けって行く。