由香里の愛人日記

愛人日記57.女体のペニスバンドが私を蘇らせる

私たちは、焼き肉を食べながら焼酎の水割りを飲んだ。
少し酔いが回ったころ、美希さんが悪戯っ子のような眼をして言った。
「いいもの見せてあげる」
そして、キャリーバッグから小さな箱を取り出してきた。

私はそれを覗き込んで、思わず
「あらっ」
と、小さな驚きの声を上げてしまった。
そこには怒張したガラスのペニスがあった。
ガラスは薄い水色で、何か謎めいた光を蓄えている様だった。

「ディルドよ。張形よ。触ってみて」美希さんがそう言って、私の手をディルドへと誘った
それは冷たく硬かった。
ただ、手に伝わる凹凸や捻じれの感触はまさにペニスそのものだった。

美希さんは、さりげなく私をソファーに導いた。
そして、裸の私の肩を左手で抱き寄せ唇を吸った。
右手はディルドを握っていて、その先端を私の陰唇に添わせて上下させた。
私は、美希さんの唇の中で、うめき声を上げ始めた。
「由香里が感じ始めてるわ」
そう言って、美希さんがディルドの先端を、用心しながらゆっくり、少しだけ膣口に挿入した。
私は由香里さんの首に腕を回し、美希さんの動きに身を任せた。
そして、自分の体の中の感情や感覚がどう変化するかを確かめていた。
あのレイプの恐怖は襲ってこなかった。

ディルドは優しかった。
私は愛液を滴らせてそれを受け入れていた。
美希さんが唇を離して言った。
「由香里、ペニスがもう怖くなさそうね」
「そうかも」私は目を閉じたまま答えた。

美希さんはディルドで私を何度も突いた。どこまでも優しく丁寧に突いた。
そこにはレズビアンの喜びがあった。
優しく、ゆっくりと、丁寧なリズムだった。
私の中の歓喜が、美希さんの手とディルドによって誘発させられるようだった。

美希さんが手を止めて、何かを装着し始めた。
「何」私が聞くと
「ペニスバンドよ、見て」
そう言って私に腰を突き出した。

そこには、ペニスを付けた美希さんがいた。
不思議な光景だった。
均整の取れた、乳白色に輝く美しい女体があるのだが、その股間には、たくましいガラスのペニスが怒張して、私を狙っていた。
美希さんが私に被さって来て、脚をM字に開かせた。
そしてゆっくりと腰を下ろしてきて、ガラスのペニスを、やはりゆっくりと挿入してきた。
美しくやわらかな乳房が私の乳房に重なり、美希さんの唇が、再び私の唇を塞いだ。
私は幻想的な快楽に沈んでいった。

私を愛撫する女体。
私に侵入してピストン運動を行う、女体のペニス。
そのペニスを慈しんで招き入れる私の体と愛液。
私の口の中に溢れる美希という女体の唾液。
溶けだす私の体。
奥底から湧き上がる歓喜の声。

クックックックッ

声にならない声が勝手に喉から迸って来た。
美希さんもだんだん高みに上って行くようだった。
私の乳首を舐める美希さんの唇から

アッアッアッアッ

と不規則な喘ぎが漏れてきた。
二人は、大きくうねる快楽の波の上を、女体という船に乗って彷徨った。
男の、突出した、暴力的な快楽の爆発ではなく、どこまでも揺れて彷徨い、やがて大きな海流に運ばれてゆくような快楽だった。

イクー

私はオーガズムの絶頂を迎え始めていた。
体全体が光にまぶされ、光に融合していくようだった。

由香里
由香里

美希さんが私を呼んでいた。
私もその声に応えようとした。
だけど

パパ
パパ

と、私は無意識にパパを呼んでいた。