由香里の愛人日記

愛人日記55.鬱な私をレズの美希さんが救いに来た

レイプされた翌朝から二週間ほどが経った。
その間、私は鬱状態だったと思う。
全身がだるく、落ち込み、時折あのいやらしいペニスの感触が体の中を駆け巡り、そのたびに何度もシャワーを浴びた。

パパに助けてもらいたくて、何度か電話しようと思ったがやめた。
パパと会えば、我慢しているパパにセックスしてあげたくなる。
でも、もしセックスしたら、今の自分はレイプの後遺症でパニックに陥ってしまうことが分かっていた。

正輝とも会わなかった。二度ほど電話があったが、今は会いたくないと言って、そっけなく断った。
デザイン事務所からの仕事の依頼も、今体調が悪いと言って断った。

私は書きかけの絵をぼんやり眺めて暮らしていた。描くという内部のエネルギーが消滅していた。
壮大な塔と広がる荒野、人間の群れ、空に浮かぶやはり広大な夕焼雲。
完成を待って、絵が私に呼び掛けているが、手が、心が動かなかった。

そんなある日、美希さんから電話があった。
「由香里、元気してる?」
沖縄の夏、クルージングやシュノーケルで海を堪能した後、スワッピングとレズビアンプレイをした美希さんだった。
レイプの記憶で暗くおぞましくなった私の心一筋の光が入って来るようだった。
「元気じゃないの」私は言った。
「今、東京にいるの、会えないかしら」
「ぜひ会いたいわ」
自分の心が弾むのが分かった。

待ち合わせたのはパパと行ったことがある都内のホテルだった。
ロビーの喫茶コーナーで、美しい髪をなびかせ、手を振って合図を送って来た。
私が駆け寄ると、大きく両手を広げ、ハグしてくれた。美希さんの柔らかな体が服を通じて感じられた。
私の中で喜びがはじけた。
「お久しぶり。」美希さんが言った。
「本当ね」
「由香里、少し痩せたね」
「そう?」
「私が元気にしてあげる」
美希さんはそう言って優しく微笑んだ。

ジュースを飲みながら美希さんが言った。
意地悪そうな、キラキラした瞳で私を見つめていた。
「実はね、剛一さんに頼まれたの、由香里を元気にしてくれって」
「パパが?」
「そうよ、秘密のマンションで癒してあげてくれって」
「そんなことを言ったの?」
「そうよ、どんなマンションなの、連れて行ってくれない?」
「パパがそう言っているのならいいわ」
「早速案内してよ」
美希さんがせかした。

私たちはタクシーを拾って秘密のマンションに向かった。
部屋に入ると美希さんが驚きの声を上げた。
「なんて厭らしい部屋なの!!」
美希さんは、天井や壁一面の鏡や硝子張りの浴槽などに興奮していた。
ベランダに出て、その広がる景色にも驚きの声を上げた。
秋の西日の中で振り向いて言った。
「由香里、あなたが欲しい」
「うん」
私は短く答えた。

美希さんがリードして寝室に導いて、私を抱きすくめた。
全身に快楽の予感が歓喜となって走った。
美希さんはゆっくりと私の唇を吸った。なめらかで柔らかな舌が私の舌を求めた。
私も美希さんの舌を求めた。

美希さんは私に唾を送り込みながら、スカートの中に手を入れ、指をパンストの上を走らせながら、やがて太腿の奥の割れ目を愛撫した。
崩れそうな私を、美希さんはうまく誘導して、広いベッドに横たえた。仰向けの私を裸にすると自分も衣類を素早く脱いだ。
「由香里の体が忘れられなかったのよ」
そう言って、美希さんは再び私の唇を吸った。そして丁寧に私の全身を愛撫した。
首筋、乳房、腹、腰、太腿。太腿の付け根の恥丘、その下の割れ目の奥のクリトリス。
それらを、美希さんの掌と舌が、優しく、ゆっくりと、しかし適度な力をこめて撫でまわした。。
美希さんの指と舌の先からは快楽の電流がほとばしった。

ハッ ハッ ハッ ハッ

と、うめき声が勝手に口から溢れ出た。