カーテンの隙間から漏れる光の中で、私はパパの寝顔を見詰めた。
昨夜、手を繋いで一緒に寝ようと言ってくれたパパ。
一人じゃないよ、と言ってくれたパパ。
私は幸せな気分になっていた。
でもパパは、愛人は幸せになってはいけない、と厳しく言っていた。
パパの寝顔を見ていて、とても辛くなった。
この人とは、いつか、必ず、別れるんだ、と思うと悲しく寂しくなってきた。
パパが目を開けた。吸い込まれそうなほどの優しい目だった。
「おはよう」と私は言った。
「おはよう」とパパが答えた。
「手を繋いで寝てくれたのね」私が言った。
「夜中に離れてしまったようだね」
「でも、とっても嬉しかった。側にいてくれて。一緒にいてくれて」
私はパパが愛おしくなって唇を寄せた。
「昨夜は叫んでごめんなさい、体が勝手に叫んだの」
「俺こそ悪かった」
「パパは決して悪くはなかったわ、ごめんなさい」
そして私はパパの目を見詰めて言った。
「手でしてあげようか?」
「え?」
パパが少し驚いたような顔で私を見た。
「だって、パパが苦しそうなんだもの」
パパのペニスがシーツを押し上げ勃起しているのが分かっていた。
パパは昨日の夜から、私を抱きすくめながら私への挿入を我慢していた。
私はパンツの上からパパののペニスを軽く撫でた。
「してくれる」
パパは何となく恥ずかしそうに言った。
私はシーツを剥ぎ、パンツを脱がせて、ペニスを剥き出しにした。
ペニスはバネ仕掛けの様に飛び出し、立ち上がった。
手で、陰茎を握り、上下に優しくこすった。擦るたびにペニスはどんどん怒張していった。
私は手でしごきながらペニスがのたうつのを観察した。
手を上下に動かすたびに、包皮が亀頭を包み、次いで亀頭が剥き出され、その運動が繰り返えされた。そして亀頭は急速に充血していった。
私にしたら、それはいつも不思議な光景なのだ。
亀頭は赤く腫れあがり、陰茎に幾重にも絡む血管は充血して膨らみ、ザーメンを充填してるように見えた。
男は、勃起の果てにザーメンを放出する。放出の後は、急速に萎えてしぼんで行く。快楽は去り、ただ、倦怠感だけが襲うようだ。わずか十数分程度の快楽のために、男は女を愛し、時には女を暴力的に犯し、あるいは凌辱し殺しさえもする。
私にとっては、永遠に理解できない男の情動の凄さだ。
そんな考えが一瞬、私の脳裏を横切った。
ウウウウ
パパが快楽に呻いた。
私は一方の手でペニスを擦りながら、一方の手を睾丸に当てそれを優しく揉み上げた。
パパは快感が込み上げてくる中、手を私の乳房にあてがい揉もうとした。
「駄目、私に触っちゃ、駄目!」私は厳しく制した。
「由香里、ごめん、でも触りたい」
パパの手は乳房を拒否され、宙を彷徨い、今度はバスローブの中に手を入れ、私の股間を、その奥の膣を探り始めた。
「駄目、絶対駄目、パパ言うことを聞いて、お願い。」
「分かった、止める、でも口で受けてくれ」
パパはペニスを、そして沸き起こって来る射精への予感に、そう訴えた。
「それも駄目!! 私の膣も、口も、アナルも今は駄目!!」
でないと、私は昨夜みたいにパニックに陥ることが分かっていた。
私はの手の動きを速めた。速く射精しパパの勃起が鎮まることを願った。
「パパ、我慢汁が出て来たわよ。もうすぐよ。」
私はそう言って、私の唾をペニスに垂らし、滑りを増した亀頭を更に激しく擦った。
「出そうだ、由香里、出そうだ」
私は枕元にあったティッシュを取り上げ、それを亀頭に軽くかぶせて、一層手の動きを速めた。
オオオオ
遂にパパはザーメンを放出した。
あてがったティッシュからザーメンが溢れ、私は二つの掌でそれを受け止め、優しく撫でまわし、包み込み、情動に狂うペニスを鎮めた。
ザーメンを放出し終えたパパを覗き込んで言った。
「パパ、たくさん出たよ、良かった?」
「よかった」
パパが全身の力を抜いて、ぐったりと放心していくのを私は見詰めていた。