駅の雑踏の妻の切ない幻影r
2021/04/28
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朝のラッシュのコンコース。
人混みの中に前を行く妻がいた。
明るいスカートをはき身軽に何処かへ急いでいる。
おおい
と声をかけようとして止める。
私は十年前に死んでいるのだ。
別次元の妻と私だ。
明瞭に姿は見えるが接触は不可能。
妻は振り向かずに消えて行く。
涙が込み上げてくる。
宇宙的な寂しさ。