浜辺から戻って、車はやがてマンションの裏の駐車場に止まった。
陽は沈み、空の残映がマンションを照らしていた。
由希ちゃん
コーヒーを飲ませてくれないかな?
いいわ。
部屋に入ると私はインスタントコーヒーを淹れた。
コーヒーを飲みながら叔父さんが言った。
由希ちゃん、パソコン借りてもいい?
いいわよ。
なにするんですか?
このUSBの中を観たいんだ。
さっきの写真だよ。
私はパソコンを立ち上げた。
暫くして待ち受け画面が現れてパソコンが起動した。
叔父さんがUSBをセットした。
幾つかのフォルダーがあり、その一つが先ほど撮影した画像のフォルダーだった。
叔父さんがクリックした。
画像の小さなサムネールがずらっと表示された。
一つをクリックすると、浜辺の私が現れた。
見てごらん。
由希ちゃんが綺麗だよ。
私はパソコンを覗き込んだ。
私の自然なスナップが連続していた。
そして一つ一つの画像は、プロが撮ったような素晴らしい画像だった。
グラビア雑誌に劣らない、高画質で、自然で素敵な構図の画像が展開されていた。
ほら、奇麗だろう。
叔父さんが言った。
確かに綺麗な私だった。
今まで見たこともない私だった。
髪の毛が流れる横顔。
振り向いた私の、日の陰に隠れた額。
何者かに挑戦しているような眼差し。
それでいて、少し暗い表情。
テトラポットを登るために大きく波打つ制服のスカート。
そこから逞しく伸びる白い太腿と脚。
両手を空に挙げ、胸を突き出している私。
私はいつの間にか、未知の自分に見入っていた。
突然、叔父さんが私を後ろから抱き締めた。
私の胸の前で腕を重ね体を拘束した。
そして、私の後頭部に顔を埋めた。
私が撥ねのけようとすると、抱く腕に更に力がこもった。
叫ぼうとすると、大きな掌が口を塞いだ。
そして、耳元で囁いた。
恐がらないで。
大丈夫。
このことはお父さんも承知のことだよ。
私は自分の耳を疑った。
そう言いながら、叔父さんはスカートの中に手を入れてきた。
指がパンティーの上を辿った。
花唇の割れ目に沿って指を這わせた。
そして唇を私の首に這わせ、舌で舐め降ろした。
一方の手が私の胸をまさぐり始めた。
全身に鳥肌が立った。
指の動きがおぞましかった。
唇の動きで、嫌悪感で全身の皮膚がざわめいた。
掌で塞がれた口の中で私は叫んでいた。
必死で顔を左右に振っていやいやをした。
止めて!!
止めて!!
しかし叔父さんは容赦しなかった。
私の顔を両手で固定して、叔父さんの正面に向かせると
バシッ
バシッ
私を平手で打った。
頭がクラクラした。
由希ちゃんのパパは承知しているんだ。
大人しくしなさい。
恐くはないよ。
叔父さんが耳元で大声で言った。
その言葉を聴いて、全身から力が抜けて行った。
続いて叔父さんが唇を吸った。
私は激しく抵抗して体を振り解き、キッチンへ飛んだ。
小さいが鋭利な包丁があった。
私は包丁を手にして叔父さんに対面した。
そして叫んだ。
止めて!
叔父さん!
でないと、あなたを殺す!