剛一パパと愛人契約を結んだとき、パパが出してきた条件の一つが避妊具を付けることだった。
「私との間で、子供は絶対できてはだめだ。愛人関係なんて、いつか必ず終わるもんだ。だから避妊は絶対条件だ。それは由香里の人生にとって、とても大事なことなんだ。」
由香里は言われた通り、すぐに医者に行って避妊具を付けてもらった。
痛みも何もなかった。
しばらく経つと膣の奥で感じていた微かで独特の違和感もなくなった。
剃毛
避妊のリング
透明な浴室
透明な浴槽
天井の大鏡
壁の大鏡
見られて見ての大胆な性交
パパとのプレイが思い出された。
「きっと私は自分を解放してるのだ」
由香里は精液を絞り出しながらそう思った。
正輝が恐る恐る蜜口の精液をティッシュで拭いた。
由香里はくすぐったく腰をよじった。
躰を起こして正輝に抱き着いた。
正輝は優しく抱き返した。
由香里は接吻を求めた。
正輝の舌が自分の舌を求めて来るのが分かった。
そして由香里の手は条件反射的に正輝の蛇身を求め、捉え、ゆっくりとそれをしごくのだった。
「あら!!」
由香里は小さく驚きの声を上げた。
さっき射精したばかりの、手の中の蛇が即反応してもう硬くなり始めていた。
その復活の速さにまず驚いた。
もう一つ驚きの理由があった。
自分の身体や手が性的に敏感に反応して動く事だった。
今でも、手の中の硬くなった蛇を、条件反射的に口で咥えたいと思っている事だった。
由香里は正輝から唇を離し、ゆっくりと正輝の躰を舐め下ろして行き、手に握っている蛇の頭を唇に含んだ。
先端を舐めながら蛇身を擦り続けた。
更に蛇身を深く口の中に納め、舌を絡め、頭を動かして、正輝の爆発を誘った。
ウウウウーーー
正輝がうめいた。
正輝が腰を激しく動かし始め、蛇が何回も喉をついた。
由香里の頭が正輝の手で固定されるのが分かった。
固定した自分の頭と口腔が、正輝に道具として扱かわれるのが、不思議な喜びをもたらすのだった。
私は肉。
私は穴。
私は吸う穴。
私は吐き出される穴。
私はセックスマシーン。
正輝の高まりを感じて由香里は眼を閉じた。
正輝が叫びながら激しく射精した。
口の中を塞ぎ怒張していた蛇の先端から熱いものが噴射し、口腔いっぱいに溢れ、由香里はその生き物のような液体をごくごくと飲み込んだ。
白濁した液体は、由香里の内部の暗闇の宇宙に、花火のように輝いて拡散していくようだった。
暫くして互いの動悸が治まったころ正輝が言った。
「由香里、お前、何か変わったんじゃないか?」
「わたしもそう思う」
由香里は正輝の裸の肩越しに、夏の空を見ていた。
輝く晴れた八月の空に多数の雲がゆっくりと移動しているのが見えた。
私は変わろうとしている。
どんな風に?
その答えの無さに、夏空の青さが微かな不安感を湛えていた。