140字小説。愛の形。

愛は幻。蝶の夢。r

2021/04/28

愛は幻。
あなたはよくそう言った。
いいえ、幻が愛よ。
私はそう答えていた。
あなたは短い蝶の生を終えた。
今は命枯れる秋。
今度はわたしが死ぬ番です。
私たちの幻はきっと誰かが見ている愛の夢よ。
雌の蝶は死にゆく孤独の中で呟いた。

儚い蝶の夢を見た少女は夜明けに涙した。