140字小説。愛の形。

晩秋。年上の彼女と林の中で。r

2021/04/28

かさかさと枯葉が鳴った。
僕と彼女は下半身を剥き出して紅葉する林の木陰で交わった。
彼女の夫に隠れての愛だった。
激しく見つめる彼女の瞳に僕が映り青空が映っていた。
彼女が呟いた
私は真っ赤なもみじ。
あなたは青い風。
私たちはやがて必ず別れるわ。
僕は噴出した。
背中にもみじが降り注いだ。