陽は完全に沈んだ。
秋の夜がとっぷりと暮れた。
ベランダの風が冷たくなった。
二人はテーブルの上の飲み物や食べ物をリビングのテーブルに移した。
今度はソファーに並んで座って都会の夜空を見渡した。
テレビを点ける気にはならなかった。
外界のニュースや事件に触れたくなかった。
明日の別れまでの時間を、二人だけの時間で埋めたかった。
今が何時かも気にならなかった。
剛一が更に料理を頼んだ。
やがてソファーの前のテーブルには、刺身や、ステーキ、焼き鳥、果物など、そして、蜂蜜やバター、醤油、オリーブオイルなどの調味料も揃えられ並べられた。
「最後の晩餐ね」由香里が言った。
「残念ながら、そうだね」
別れを予感しても、由香里はもう泣かなかった。
剛一の愛を確かめたからだった。
剛一も由香里も食欲は旺盛だった。
二人ともステーキを頬張り、刺身をつつき、焼き鳥を食べ、フルーツをふんだんに食べた。
二人ともアルコールが強かった。
「由香里、お酒強いね」
「そうでもないわ」そう言いながらも、ウイスキーの水割りと焼酎の水割りをすでに何杯かお代わりしていた。
「パパ、おちんちん出して」由香里は酔った声で言った。
「こうかい」
剛一がソファーに腰かけて、ガウンをはだけ、蛇身を剥きだしにした。
「違う、ソファーに横になって」
そう言って、由香里は剛一をソファーに横たえた。
「いまから、パパを美味しく食べるの」
そう言って、由香里はテーブルの上の蜂蜜とオリーブオイルを引き寄せた。
まず、剛一の蛇身に蜂蜜を塗った。
蜂蜜を塗られながら蛇が勃起し始めていた。
昼間死んでいた蛇が蘇ろうとしていた。
「とても甘いおちんちんよ。でもそれだけではコクが無いの」
そう言って、今度はその上にオリーブオイルを垂らした。
蜂蜜とオリーブオイルでまぶされた蛇身を由香里が手でしごき始めた。
「美希に教えもらった、おちんちんのスイーツな食べ方よ」
そう言って、由香里は蛇の頭を口に咥えた。
オオオオオ
剛一がうめき声を上げた。
由香里のフェラを止めて、今度は剛一が由香里を仰向けに横たえ、脚を大きく開かせた。
「今度は由香里を美味しく食べてやる」
そう言って、花唇を指で開き、そこに醤油を少し垂らして、そこに刺身をペタリと貼り付けた。
ググググ
由香里の悶える声がした。
剛一はそうして、その刺身を頬張った。
「うん、醤油と愛液が絶妙にブレンドされている。旨い」
由香里はそれを聞いて
キャキャキャキャ
と下品な笑い声を上げた。
まさに二人の最後の晩餐が始まった。
一度堰が切れると二人の戯れは際限が無くなった。
由香里が剛一を四つん這いにさせ、アナルに醤油をかけ、そこにマグロの刺身を差し込んだ。
由香里が差し込まれたままのマグロに食いつき、舌で手繰り寄せて食べた。
アナルのすぼまりを刺激された剛一は、前回の前立腺刺激に似た快感を覚えた。
次いで、剛一が由香里仰向けに横たえ、由香里の臍や、太腿が閉じられた恥丘の窪みに細切れのステーキやバターを盛った。
ステーキを箸でつつきながら
「由香里の味が浸み込んだステーキだ」といって頬張った。
そのうちの一つを摘まんで、由香里の口に持って行った。
あの手この手で、二人は食材を利用しながら互いの身体を食し合った。
二人は心身ともに限りなく一体化して行った。
二人の饗宴は深夜まで及んだ。
二人は猥雑なほど互いを貪り合った。
由香里は剛一の前立腺を思い切り刺激しフェラを繰り返し、剛一は由香里のアナルと蜜壺を思い切り犯した。
精液や愛液が互いの体に注がれ、混じり合い、溶け合って行った。
二人は朦朧としながらも芯は冷めていた。
別れのカウントダウンの音が一層高く響いていた。
すでに、時間は夜の二十四時を超え、別れの日が口を開けて待っていた。
二人は、芯は覚醒していても、神経を暴力的にアルコールに犯され、泥のような眠りに引き摺り込まれて行った。