初めてのアナルセックスに由香里は絶叫した。
その痛みは剛一には分からないものだった。
「ごめん痛かったかい」剛一が訊いた。
由香里は答えなかった。
閉じた目尻から涙が流れていた。
「済まなかった。いきなりだったもんな」
由香里は怒っているのか、怖がっているのか、一言も発しなかった。
「済まなかった、本当に済まなかった。もう二度としないよ。許して下さい。」剛一が謝った。
「ううん」
初めて由香里が口をきいた。顔はシーツに沈めたままだった。
「いいの、痛くてもいいの」小さな声だった。
そして言った。
「パパのすべてを受け入れたいの」
剛一は由香里が一層いとおしくなり、顔を自分に向かせて、その涙を拭いてやり、口づけした。
由香里が腕を剛一の首に巻き付けてきて、剛一の舌を求めた。
剛一はその舌を深く吸い込んだ。
「由香里、見てごらん」
剛一は由香里も仰向けになるよう促して、二人で天井の大鏡を見た。
そこには自分たちを見下ろしている、裸の剛一と由香里がいた。
由香里は無意識に乳房を掌で隠そうとした。
「隠しちゃだめ。腕を伸ばしてそのまま頭の上に持って行くんだ。」
言われるように、由香里は二つの腕を伸ばし、それを頭の上に持って行った。
由香里の躰はその動きで自然に伸ばされた。
胸の乳房と体全体が大鏡の中に映し出されるのだった。
見るたびに剛一は、由香里の身体にほれぼれするのだ。
すんなりと伸ばされた両腕。
腕に挟まれた知的な顔。
肩の両側の露わになった脇腔。
形のいい二つの乳房。
美しくくびれる腰。
滑らかな腹部とキュートな臍。
すらりと伸びやかにたゆたう二本の脚。
脚の間の割れ目。
小さく覗いている肉芽の先端。
「恥ずかしい」
そう言って由香里は体を横に向けて鏡からの視線をはぐらかした。
由香里は剛一の体の右側に絡みついていたが、その右手が自然に剛一の蛇を愛撫し始めた。
剛一はしかし、何といっても中年の男である。
さっきアナルの中に精液を放ってまだ間もないのだ。
その蛇はだらりと力を失って回復を待っているのだ。
それを知ったうえで由香里は、やさしく、丁寧に、ゆっくりと蛇身をしごいていた。
パパのためにアナルを開発したい。
由香里は、それほどパパが好きなんだ、そう思った。