私はパートナーの髪に顔を埋めるのが好きだ。
髪の毛特有のふっくらとした森に囲まれる感じだ。
髪の毛の森の奥から、エロスの風と匂いが漂ってくる。
暑い夏などは、微かな甘酸っぱい汗の匂いがする。
汗の匂いが私を興奮させ、彼女を貪りたくなる。
いや、優しく食べ尽くしたくなる。
私は、そんな髪の毛に顔を埋めながら、髪の毛を撫でたり、指で梳いたり、頭皮を揉んだりする。
髪の毛を撫でられ、愛撫されながら、彼女がうっとりとして来るのが、頭の動きや漏れる声で感じられる。
まるで、髪の毛が性感の森のように反応するのだ。
女は脳で感じるという。
また、女は子宮で感じるともいう。
両方、真実なのだろう。
髪の毛からの刺激は、彼女の脳の快楽への期待と予感を高め、過去の快楽の記憶を蘇らせてくる。
また、その刺激は、頭皮から、背中へ、やがては子宮へと伝わっていくのだと思う。
そーっと手で唇をなぞると、唇が私を求め始めている。
髪の毛を撫でらるというのは不思議なものだ。
犬、猫、ライオン、虎など動物は毛を撫でられることで、うっとりとし、甘えて喉をゴロゴロと鳴らし、柔和になり、主人に服従する。
それは全身で、主人を受け入れていることを表現してるのだろう。
女もしかりだと思う。
動物と比べると人間には体毛が少ない。
体毛が最も集中し豊かに茂っているのが髪の毛だ。
その髪の毛は、動物の肌感覚の集中スポットだと思う。
髪の毛を撫でられることで、女は全身で原始の快感と服従感覚を蘇らせるのかもしれない。
原始の動物のように、甘え声を出し、柔和になり、男にしなだれかかってくる。
私は髪の愛撫の後、ゆっくりとキスをする。
彼女は幸せそうに、舌を求めてくる。