女を愛するとき、男はまず、唇を求める。
柔らかで、滑らかで、柔軟で、表面は冷たく、中は暖かい。
女体の中でも、唇は強烈な誘惑を感じるパーツだと思う。
唇は、粘膜が直接外界に向かって剥き出しにされているパーツだ。
粘膜が薄いので、下部組織の血管網が透けて見え、そのため健全な唇は淡いピンク色をしている。
また、繊細な神経が集中し、顔の筋肉群とも繋がっていて、様々な動きを見せる。
笑ったり、怒ったり、情熱的であったり、エロティックに濡れたりする。
また、唇の機能も多様だ。
食べる、舐める、接吻する、しゃべる、歌う、息を吹きかける等々。
唇はまさに生きるに必須な重要なパーツだ。
唇を考えると、生きる事自体がエロティックだと思えてくる。
そんな唇は、日常、どこでもいつでも直接外に曝している。
男にとって、どきっとさせらる唇は罪だ。
一説によると、唇は迷走神経・副交感神経と直接脳につながっていて、さらに、他の迷走神経とネットワークしている。
唇への刺激は、神経のネットワークを通じて、乳房や子宮へ伝達するという。唇への愛撫は、乳房や子宮や膣を愛撫しているに等しい。
だから、キスをすると、唇の血流が増えるとともに、乳房や子宮や膣の血流も増加し、濡れ始めるのだという。
化粧品の広告ポスターなどに、妖艶な唇をしたモデルが登場するが、男の方が照れるほどセクシーだ。
私が好きなのは、うっとりと目を閉じ、半開きになって、少し濡れていて、何かを待っているような唇だ。
その何かとは、私の唇であり、そしてついには私の蛇身だ。
そんな広告が有るということは、女性もそんなエロティックな唇を演出し、男を誘惑したいと願っているからだろう。
だから、化粧品コーナーは、私にとってはエロスが充満する照れくさく恥ずかしいコーナーなのだ。