流れる夢の中で、私は怯えながらもがいていた。
それは、私の過去にまつわる嫌な夢だった。
暗い部屋。
獣のような囁き。
悪臭。
私の顔を貪るように舐める大きな舌。
涎が顔に塗りたくられていた。
その獣は叔父さんだった。
高校三年生の時、事情があって、私は叔父さんの家族と一緒に住んでいた。
叔父さんは時折私の部屋に忍び込んで来て、私を脅しながら、私の乳房やバギナ、アナルを貪った。
私は唸り声を上げて夢から跳ね起きた。
少し汗をかいていた。
リゾートホテルの一室だった。
カーテンの隙間から秋の朝の光が射していた。
シーツの中で私は裸だった。
隣には、彼がこちらを向いて軽いいびきをかいて眠っていた。
裸の肩が逞しく安らっていた。
あれは夢だったんだと思うとホッとした。
彼の寝顔を見つめていると、嫌な夢の断片は消え去り、霧のような不安な気持ちが晴れて行った。
今は幸せ。
ふっくらした気持ちが込み上げてきた。
嬉しくて私は涙ぐんだ。
少しだけ視界がぼやけた。
彼が無意識に腕を伸ばし、私の体を求めてきた。
彼の腕が座っている私の腰を探り当て、腕を回してきた。
悪戯っ子のような寝顔だった。
私はシーツを剥いだ。
彼の全身が光の中に浮かび上がった。
私は彼を仰向けにした。
バランスの取れた筋肉質の腕と胸と脚だった。
下腹部の繁みの中で蛇が盛り上がったまま眠っていた。
なんだか滑稽な朝立ちの蛇の姿だった。
私はぼんやりとまどろんでいる蛇の頭に接吻した。
すると、やはり無意識だろう、彼の手が私の股間を探り、恥丘を見つけ、恥毛の中に指をいれて、もぞもぞと蠢いた。
私はその手を静かに払いのけた。
私は蛇から唇を離し、手で、眠っている蛇身をそっと擦った。
ゆっくりゆっくり擦った。
擦っている内に、蛇身が太く、しっかりと堅くなって来た。
蛇身の血管が脈打ち始めた。
頭の先端の小さな割れ目から透明な液体が少し流れ出した。
オオ?
彼が目覚めて上半身を持ち上げた。
私を見つめる目が嬉しそうに潤んでいた。
彼が私の頭を引き寄せ、唇を求めてきた。
私は彼の舌を受け入れた。
彼の舌が私の舌を絡め、強く吸い上げた。
私は彼に舌を吸われながら、彼の蛇身を更にしごき続けた。
蛇身は急速に怒張し、発熱し、掌の中でのたうち始めた。
やがて限界まで膨らみ、掌の中で反り返った。
彼が私を抱こうとした。
じっとしてて
口でしてあげる。
そう言うと、彼は上半身を倒し、全身を私に任せるように仰向けになった。
彼は軽く目を閉じた。
掌の中の蛇が切なく私を求めているのが分かった。
私は蛇の頭を再び口に含み、舌で愛撫した後、蛇身を口の奥まで咥え込んだ。
私は頭を上下させて、口と舌で何度も擦った。
彼が私の頭を手で固定させ、腰の上下のピストン運動を速めた。
私は上目遣いで彼を見た。
彼の目が優しく、切なく、真剣に私を求めていた。
目が言った。
出すよ!!
いいよ。
私も目で答えた。
次の瞬間、彼は爆発した。夥しい熱い液体が、口の中一杯に吹き付けられ、溢れかえった。
私はそれを喉で受け止め、二度三度と飲みく下した。
少し生臭くて
苦みがあって
とろみがある
不思議な液体だった。
私が好きな彼の白濁の液体だった。
飲み下しながら私は脳裏で呟いていた。
嫌な過去を拭い去ってくれる彼が好き。
愛してる。
すぐ別れるかもしれない。
でも今は幸せ。
彼が好き。
愛してる。
私は、朝の浜辺を二人で散歩している光景を思い浮かべていた。