愛人契約

愛人契約32.満天の星の下。甘いゲイの罠。r

2021/04/26

テーブルのこちら側には桐野剛一、青井由香里の二人。
向かってジョージ・ルーカスと金城猛が並んで座った。
広い鉄板焼きのテーブルで、コックが目の前で宝石を扱うように、厚い牛肉をカットして焼いてくれた。

北沢の調べによると、ルーカスはハーバード大学の経営工学出身。
卒業後、世界屈指の経営コンサルタント会社であるボストンコンサルタントグループに入社。
以後、IT系、金融系の企業のコンサルティングを行い、三十代半ばで主任コンサルタントとなる。
現在四十代前半、今の投資ファンド会社にスカウトされて依頼、アジア担当CEOを務めている。
エリート中のエリートであり、アメリカのエスタブリッシュメントの一員ともいえる。

だが、ルーカスは自分の経歴に触れず、一介のサラリマンとして業務を遂行している姿勢を見せた。
それが剛一には好ましく思われた。
四人の会話は、ビジネスでは無く映画や音楽が主な話題となった。

猛の英語力は素晴らしかった。やはりリゾートホテルで勤務して多くの外国人と接しているからだろう。
ルーカスの日本語はカタコトだが、意味は十分通じた。
四人は、カタコトの日本語と英語で十分コミュニケーションが出来た。

「ジョージ・ルーカスってあの有名な監督でしょう」
由香里がわざと話をそこへ持っていった。
「イエス。日本人にもあるように同姓同名なんです。」
「かっこいい」猛が言った。
「僕はスターウォーズのすべてを見ましたよ。あのアナキン・スカイウオーカーがいることで、スターウォーズが単なるスペースオペラではなく、人間の戦争という厚みがあるように思いましたよ」
「オー、タケシそこまでスターウォーズが好きなのか?」ルーカスが反応した。
「ルーカスさんは日本映画で印象に残ってるのは何ですか?」猛が訊いた。
「シンゴジラ」ルーカスが言った。
「凄ーい。日本の映画も好きですか」由香里が言った。
「私はアジア担当責任者だから、日本の映画もよく見ます」
四人の会話は映画や音楽、アニメなどあちこちの分野を駆け巡った。

焼肉に加え、剛一、由香里、ルーカスはそれぞれ好みのアルコールを飲んだ。そのせいで余計気持ちがリラックしたのだろう。
猛だけはアルコールを口にしなかった。
「後で皆さんを夜のクルージングに案内しますから、アルコール禁止です」
猛が笑って答えた。
「サンキュー タケシ!!」
少し酔ったのか、ルーカスは隣の猛の肩に腕を回し、その頬に軽く接吻した。
「オー、イエス アンド サンキュー」
そう言って、猛がルーカスの頬にキスを返した。
「ハハハハ」ルーカスははしゃぐように大声で笑った。

焼肉ハウスを出て、猛の案内で、四人はホテルのビーチへと向かった。
夜の海の、満天の銀河を見に行くということだった。
前日に猛がすでに、貸し切りの予約をしていたのだ。
ビーチはホテルの建物群の光を受けて淡い白色に輝いていた。
波打ち際は、飛沫がきらきら輝いているが、すぐ先には漆黒の海が闇の中に沈んでいた。

「空を見てください」猛が言った。
漆黒の空に銀河が輝いて広がっていた。北東から南西の方角だった。光の煙のような中心部から分散する周辺部までが良く見渡せた。
「銀河は初めてよ」
由香里が感激の声を上げた。
中型のクルーザーが浜に佇んでいた。

猛が先に行って、待機していた作業員に何か指示を出していた。
セール無しで、エンジンでの走行だった。猛は慣れた手つきで操縦し始めた。
四人を乗せて白いクルーザーはゆっくりと沖に出た。
満天の星々、銀河の星々は一層鮮明にその姿を現した。

沖に出ると風が強くなった。
潮風に由香里は身を曝した。
風がスカートをはたはたとめくりあげ、そのたびに由香里の美しい太腿が露わになった。
「寒いわ」由香里が言うと
「じゃキャビンの中に入ろう」
そう言って、剛一が由香里をキャビンに誘った。
猛とルーカスは、もっと銀河を見ると言って、デッキに残った。

キャビンの中はあたたく、ソファーが備えられていた。
波でキャビンは揺れていた。
キャビンには窓がいくつもあけられており、外の景色が見えるようになっていた。
「おいで」
剛一がソファーに座って、由香里を膝の上に誘った。
由香里は剛一をまたぐ形で腰を落とした。
ズボンの中で剛一の蛇が硬くなっているのが感じられた。
剛一は、大きく空いた由香里のドレスの背中に手を入れ、その手を腰から尻の割れ目にそって下ろして行き、アナルのすぼまりを愛撫した。
「ここではダメよ」
由香里は剛一の首に腕を絡ませながら、甘えた声で言った。