愛人契約

愛人契約05.恥丘と割れ目の誘惑r

2021/04/26

広々とした落ち着いた部屋だった。

一流ホテルの名にふさわしく、ゆったりとした間取りで、ダブルベッドが悠然と、そして優雅に二人を待ち受けていた。
枕やシーツ、テーブルやドレッサー等、ベージュを基調にしてまとめられていて、ドアノブや引き出しの取っ手などは金色に輝き、全体は気品に溢れていた。

剛一が先に入り、あとから三歩ほど離れて由香里が入った。
由香里は、剛一を買うと言ったが、やはりみずしらずの男に対しては本能的に用心しているのだろう。
剛一は壁一面の窓際に立ち、由香里を見つめた。初めて、由香里の全体が見渡せた。
剛一は内心「おお」と感動の声を上げていた。
そのプロポーションは素晴らしかった。

簡単に言えばスレンダーで、八頭身、いや九頭身ほどの体形で、品よく整っていた。
少し乱れたショートボブの髪型。美しい黒髪。
まだ少し涙にぬれてきらきら輝いている敵意に満ちたような瞳。
先ほどは歪んでいた唇は、今は横一文字に閉じられ、真剣な意思が感じらた。

服はと言えば、大柄な花をデザインした、挑発的なミニスカートと胸元を大きく開いたブラウスをまとっていた。
喉から胸元にかけて、ハリのある肌がしっとりと光沢を放っていた。
そして自分自身の不安と衝動を抑えるように、ブラウスの下の乳房がゆっくりと上下していた。

バストは小ぶりながらしっかりと形が良く、腰はぜい肉がなく引き締まり、ミニスカートから覗く太ももは弾力に満ちて若さを漲らせていた。

中年の桐野剛一にとっては、彼女は失われた青春のすべてを体現しているようだった。

彼女に買われた幸運と喜びが体内から湧き上がって来た。
剛一の、体の奥深くから来る情動は、下腹部を核にして増殖し、ペニスに充填されていった。
ズボンの下で肉の蛇がとぐろを巻き鎌首をもたげるのが分かった。
剛一は本能的に由香里に近づき、彼女の見事な躰を抱きしめようとした。
「ダメ!動いてはダメ!」彼女は少し後ずさりして厳しく制した。

「私が買ったのだから、私の言うとおりにしなさい!」由香里がきつく言った。
由香里の声は、サーカスの猛獣使いの鞭のように厳しく剛一を制した。
剛一は、その鞭に打たれる感じで従った。
そして情動をペニスに蓄えたまま次の命令を待つた。
この一瞬での服従は、自分の意志ではなく、肉体の意志、肉体の反応によるものだった。自分自身でこの従順さにあきれていた。
そして剛一は自然に由香里の下僕となったことを悟った。

「上着を脱いで、ネクタイを外して」
由香里が続けて命令した。
剛一は背広の上着を脱ぎ、ネクタイをシュルシュルと音を立てて外した。
彼女はネクタイを取り上げた。剛一を椅子に座らせると、背もたれの背後の回り込み
「後ろに手を回しなさい」と命じた。

言われるがままに椅子の後ろに手を回すと、彼女は手際よく、女の力ではあるが、確実にきっちりと両手首をネクタイで縛った。
剛一は試みに手首を動かしてみた。手首自体は少しは動くが、それを解くことは困難な事が分かった。
剛一はこうして、手の自由を簡単に奪われ、あるいは意志の自由さえも奪われた奴隷となった。

由香里は、後ろ手に縛られた剛一の前に来るとそのミニスカートを捲し上げた。