恭介はベッドから私を連れ出し、窓際へ導いた。
窓は全面ガラス張りでベランダへ繋がっていた。彼はガラス戸を開け、ベランダへと私を誘った。
ベランダの天井と壁全体が透明なガラスに覆われていた。
大きな温室のような作りだった。空調が効き、快適な室温だった。
ベランダ全体はイギリス風のガーデニングに造園されていた。要所要所に、豪華で品の良い、天使のオブジェや小振りのテーブルやソファーが備えられていて、周囲は色彩豊かなプランタンが並べられていた。
ベランダからは都会とその空が見渡せた。
遠くに雨の中に林立するビル群が聳えていた。見上げると、銀灰色の空から雨が降り注いでいて天井のガラスを流れていた。
まさに空中に浮かんでいるような錯覚を覚えた。
彼は私をベランダの壁の透明ガラスに押し付け、片足を持ち上げ、立位の型をとらせた。都会の林立するビルの全ての窓から見られている感じだった。
しかし、ここから見る限りでは、ビル群は遠く、また、隣の部屋や上層階の部屋の影は待ったく見えなかった。外界の視線から完璧に死角になるように絶妙に設計されていた。
彼は私の下から突き上げるようにして、蜜口に怒張した蛇を挿入してきた。
私は彼の首に腕を回し、抱き付き、自分から彼の唇を求め、彼の舌を求めた。
彼が私に唾を送り込んできた。
私はそれを贅沢な果汁のように啜った。
先ほどの部屋中の鏡。それに映し出された私と彼の裸身。
私の開いた花唇。
私の掌の中で身を捩る彼の蛇身。
それらの映像体験が私の体を開放したのだと思った。
私は彼の唾を味わいながら、下からピストン運動を繰り返す獰猛な蛇を感じていた。
熱い鎌首が私の壺口を擦り、壺の内部の襞を擦り、時には強烈に敏感なスポットを刺激した。
一方の彼の指が私の恥丘の陰の肉芽をつまみ、愛撫し、いたぶった。
私は、雨空の都会の空、銀灰色のベランダで、思い切り嬌声を上げた。
彼の動きが激しさを増した。
私は彼の中に、彼は私の中に溶け込んでいくようだった。
いくよ、いくよ
彼が耳元で囁いた。
私は一瞬、理性を取り戻した。
中はダメよ
すると彼は私を、備えられていた柔らかなソファーに横たえた。彼は私に跨るようにして、慌て気味に、暴れる蛇を私の腹部に向けた。その瞬間、白濁の精液が噴出し、精液の群れは腹部の上で生き物のように暴れて、私の皮膚を破って中に侵入するかのようだった。
私は精液の熱を感じながら目を閉じていた。曇った空に私は包み込まれ、どこか見知らぬところへ拉致されて行くかのようだった。
気が付くと、彼が、白濁した精液の群れを、タオルで丁寧に拭き取っていた。