スワッピング・悦楽の四重奏

四重奏04 鏡の部屋で体の隅々が映し出されてr

2021/04/26

私を抱きながら恭介が言った。
「由希さんの全てが見たい」
「あなたは私を何度か抱いたわ。もう私の体を見たでしょう」
「もっと見たい」
そう言って、彼は枕元のリモコンに手を伸ばし操作を初めた。

窓際のカーテンが開いて行った。全面ガラス張りで、ベランダに続いていた。
カーテンが開くにつれて柔らかな光が押し寄せてきた。ベランダの向こうは雨だった。やがて部屋全体が雨の朝の光にまぶされて現れて来た。
相当な広さの寝室だった、そこだけで3LDK 一戸分の部屋が納まる程だった。
金に縁取られたシックで豪華なクローゼットや、猫脚椅子とセットになった大理石の化粧台がさりげなく配置されていた。その猫脚椅子の背に無造作に私の衣類や下着が投げ出されていた。

見ていると、左側の木目の壁が開いていって、全面に張られた大鏡が現れた。
鏡の中で、恭介が後ろから私に抱き付いていて、私の左手は彼の蛇を握っていた。私は慌てて手を離し、その手で、無意識に乳房隠していた。

「鏡の中の由希さんは、とてもセクシーだ」
恭介はそう言いながら、リモコン操作を続けた。

左壁の大鏡がするすると両側に隠れて行き、壁が取り払われて、向こう側に広々とした居間が広がった。
寝室と同じほどの広さの空間で、床は飽きの来ない淡い色調の絨毯が敷き詰められていた。優雅なソファーや談笑用のテーブルが置かれていた。また、食事用のダイニングテーブルも揃いの椅子等と共にセットされていた。そして、広々とした居間の隅には、大型のTVモニターや、仕事用の重厚なデスクなども供えられていた。
居間の奥にはキッチンがあり、住人が自分で調理もできるようだった。キッチンはバーカウンターに囲まれていて、カウンターの奥には洋酒や日本酒のボトルが並べられて、まさにミニバーとなっていた。

「すごい部屋ね。まるで超高級ホテルみたい」
「そうだろう。そこいらのシティーホテルとは比べ物にならない、超豪華ホテル並みだよ。でも、驚くのこれからだよ」
恭介はそう言いながら、さらにリモコンを操作した。
操作しながら、彼が私を仰向けにして天井を見るように促した。

天井の木目の仕切りが左右に開いていった。
私は、アッと思わず声を出した。
現れたのは、天井いっぱいに広がる大きな鏡だった。その鏡にの中に、私たちを見下ろしている、私たちがいた。
二人は全裸で横に並び、恭介が一方の手で私に腕枕をし、一方の手でリモコンを操作していた。
私の全身が鏡の中で雨色の朝日を浴びていた。
私は手で胸を隠し、私の脇腹には、恭介の蛇が絡みついていた。

光に露になった私の首筋。
胸元。
乳房。
腹部。
臍。
恥丘を被う黒々とした陰毛。
花唇を隠そうと重ねられた太腿。
私の右手は、自然に、恭介の蠢く蛇を軽く握って鎮めていた。

恭介が、綺麗だ、綺麗だ、まるで中国製の白い陶器だ、と耳元で呟いた。

私自身、裸には自信があった。高校から大学時代にかけて、ずっとヨガをやっていて、全身をケアしていたのだ。自分でも自分の裸は美しいと思うことがあった。

恭介は、リモコンを操作をやめ、私の太腿に手を伸ばしてきた。その指にさりげなく力が籠められて、太腿を開くように促してきた。私は少しの抵抗もなく、催眠術にかかったように、太腿を開き、脚を開いていった。

恭介が言った。
「由希さんの全てが見えてきたよ」
私は恥ずかしさのため、鏡の中の自分から目をそらそうとして顔をそむけた。
「だめだよ、目をそらさないで、由希さんと俺が、綺麗に映っているんだよ」
そう言われて、私は再び、鏡の中の二人を見詰めた。
恭介の蛇が今、掌の中で完全に覚醒した。熱い鼓動が蛇身にみなぎった。私は股を開かされて彼をいつでも受け入れる態勢になっていた。
しかし、彼は私に入ってこなかった。

もっと、もっと由希さんを見たい。
そう言いながら、再びリモコンを操作し始めた。

「足元のドアを見ていてごらん」
寝室の足元にあるドアの木調の壁するすると片方に収納されて、ドアの壁一面に大きな鏡が現れた。
鏡の中に大きく開いた私の太腿と、愛液に濡れる花唇と、アナルが映っていた。
そして、右手からはみ出た蛇の鎌首が喘いでいた。
「嫌らしい!! あなた、私の隅々まで見えてるの?」
「そうだよ。由希さんの全てを見たいって言っただろう」
恭介は、その美しい顔に美しい微笑みを浮かべた。
「そのドアの向こうには、洗面所とトイレがあるんだ」

「次に右側を見ていてね」
その声に続いて寝室の右側の壁が開いていった。
右側の壁にも大きな鏡が張られていた。鏡の中で、恭介と私が横たわっていた。
私は自分の姿を確かめようと、上半身を起こした。寝乱れた髪が顔と首筋にまとわりついていた。恭介の指が私の花唇を撫でていた。私は右手で蛇を軽くしごいていた。
まるで、ポルノ動画の様だった。

「まだ続きがあるよ」
恭介は、蛇がしごかれる快楽に耐えながら、さらにリモコンを操作した。
右側の大鏡の壁が、左右に開いていった。現れたのは壁一面の透明ガラスで、ガラスの向こうは、広々とした浴室だった。
その浴室に、ミニプールとでも呼びたくなる、大きな透明のガラスの小舟のような浴槽が湯を湛えていた。
そして、寝室側から見える浴室の奥の壁もやはり鏡張りだった。

例えば、私がその小舟の浴槽につかると、私は恐らく、生簀いけすで飼われている魚のように観察されるのだろうと想像した。
生簀の中で、私は身を捩ったり、くねらせたりしながら、私の体の角度によっては、鏡の効果もあって、股間の花唇や蜜口が、すべて恭介の視線に晒されるのだろうと思った。、
鏡と巨大なガラスの浴槽。中にいるものを全方位から視姦できる、何とも言えないエロティックな浴室だと思った。

私の全部が鏡に映ってしまうの?
そして、どの部屋いても、ガラス越しに私が見えちゃうの?
どの部屋からでも、浴室の中の、私の全てが見えちゃうの?
私は恥ずかしと驚きの中で彼に問いかけていた。
「そうだよ。」
彼は嬉しそうに言った。

こっちへ来てくれる?
そう言って彼は私を立ち上がらせ、私を窓際に導いた。