私が放尿を終えた後、彼は私を抱きかかえ、二人の体を手品のように移動させ、ついには私が彼の顔面に騎乗位になるよう誘導された。
「由希さん、腰を降ろして、俺の顔に跨って」
「え?」
「由希さんの割れ目を俺の鼻に擦りつけて!」
彼もまた、この部屋で性を解放したのだろうか?
それとも、彼はもともと、性に貪欲な男なのだろうか?
ふと、そんなことを思ったが、私は目を潤ませた美しい恭介の顔に跨り、腰を降ろし、花唇を鼻に押し付けた。彼の鼻先が私の蜜口を突き、彼の蛇とは全く違った快感が湧き上がってきた。
背徳的で、少しサドがかった快楽だった。
私は、おしっこと愛液で濡れた花唇を、恭介を凌辱する気分で押しつけ、擦りつけた。
恭介は両手で私の尻を揉み始め、鼻先に次いで、ぬめりを帯びて奇妙に硬くなった舌で、花唇の割れ目をなぞりはじめた。
私は、湧き上がってくる新たな快感に誘発されて、残っていたおしっこが勝手に花唇から溢れ出すのを感じた。恥ずかしさで、思わず腰を外そうとしたが、恭介はしっかりと手に力を入れて、私を逃さなかった。
ついに私は、恭介の顔に熱いおしっこを放ってしまった。
恭介がそれを飲むのが分かった。飲むたびに、彼の唇が私の花唇を舐めた。飲み干した後、彼の舌が私の肉芽に上ってきた。舌の先が、ちろちろと、その快楽の先端を舐めて弄んだ。私の花唇は放尿を終わっていたが、さらに濡れ続けた。私の奥底、蜜壺の奥底から湧き出て来た愛液のぬめりだった。体の奥底から貪婪に溢れだす愛液は、限りなく恭介の存在を求めていた。
恭介の蛇ではなく、今私をいたぶっている舌先、そして、お尻に食い込んだ彼の指、鍛えられた腹部の筋肉、彼のその美しすぎる眼、それらのパーツの彼方に恭介という快楽の源泉があった。私はその源泉を求めていた。それは私の体に触れてはいるが、すぐに消えては現れ、また消えてゆく、幻のようなものだった。
私は顔を近づけて彼の目を覗き込んだ。
眼が潤んでいた。暗い闇を湛えていた。そこに快楽の源泉が、嵐の海のように波しぶきを上げていた。
それは幻のようだった
消えてはまた立ち現れて来る幻の中に、強烈な快楽が波打っていた。不思議な快楽だった。花唇を中心に、私の体は溶けて分解するが、嗜虐的な感情と喜びが私の意識を満たした。押し寄せる快楽に私ははのたうち、ついには発狂し、大きな声を部屋中に迸らせた。
自分が絶叫する声を訊きながら、私はオーガズムに達し、快楽の頂点に噴き上げられていた。
私は恭介に崩れ落ちた。恭介の唇を求めた。その美しい唇を貪った。彼の唾液と私の唾液が輝きながら混ざり合い、私の中へ流れ込んで来た。
眼をやると、私たちは鏡とガラスに囲まれ、ガラスの向こうのベランダの彼方には、雨に煙る都会の空が果てしなく広がっていた。