ベランダに出ると大阪城公園とその彼方の都会のビル群が見渡せた。
夏の西日が気だるい光を投げかけていた。
ドタバタから一段落して、ひどい空腹感に襲われた。
そう言えば今日の午前零時から今の夕方の五時まで、まったく食事をしていないことに気づいた。
セックスはしたが食事はしていなかったのだ。
「腹減ったなー」
俺が言うと
「私もーー」
と、蘭と凜が口を揃えて言った。
この部屋はゲストハウス用にに設計されており、ダイニングルームとキッチンが備わっていた。
そしてまた英国風の気品のある大きなダイニングテーブルが納められていた。
「やけくそだ、焼き肉パーティーってどうだ?」
俺が言った。
「賛成」
「私も」
蘭と凜が笑顔で言った。
俺は支配人を呼び出し虚勢を張って言った。
「焼き肉パーティーをしたいんだが、部屋で焼けますか?」
「大丈夫です。畏まりました」
支配人は恭しく、バリトンの効いた深みのある声で答えた。
銀行には百万円が振り込まれている。まだ手つかずだ。焼き肉パーティーぐらいは何でもないだろう。俺はそう見込んで気が大きくなっていた。
「じゃ、一時間後にお願いします」
俺たちはまずシャワーを浴びることにした。
あの男たちから逃げたのだが、真夏の西日と埃と湿気にまぶされて全身がべと付いていた。
早朝から二度ほどヘビーなセックスを共有していたため、三人でシャワー浴びるのは何の抵抗も不自然さもなくなっていた。
俺たちは浴室に一緒に入り、互いにシャワーを掛け合い、女二人は俺の蛇を弄び、俺は女二人の乳房と割れ目を弄んだ。
流れのままに、まず蘭を後ろから犯し、次いで凜を正常位で犯した。
最後に二人が俺の蛇身を手でしごき、白濁の液が空中に飛んだ。
三人はあどけないセックスマシンになっていた。
上気し、浴室から出て、ガウンを羽織っているとき電話が鳴った。
支配人とは別の声だった。
「焼き肉パーティーを始めても良いでしょうか?」
俺は女たちを振り向き
「いいかい?」と聞いた。
「まだ一時間たってないわよ、早すぎるわ」凜が言った。
「いいじゃないの」蘭が言った。
「おかしいわよ」凜が言った。
凜は眉に皺を寄せ、決意したように言った。
「即、撤退。危険な予感がするの」
「OK」蘭が言った。
「オイオイ、旨い焼き肉がもうすぐなんだぜ」
俺は空腹に耐えきれない状態だった。焼き肉が食えるということで、俺の口にはすでに涎が満ちていた。
俺は小学生の様に駄々をこねた。
「焼き肉は暫くおあずけよ。十分で撤退」
そう言う凜の口調は厳しかった。