愛人もどき。危険な女二人。

愛人もどき05 凶悪から追われる予感

早朝の喫茶店に二人の女を待たせて、俺は急ぎ会社に戻った。
車をアルバイトの洗車屋に任せ、事務所でそそくさと売り上げ整理と日報作成を済ませた。
「おい松岡、朝方何回か電話があったぞ」白髪のいつも不機嫌な顔の営業所長が言った。
「お前の車のナンバーからここの営業所を突き止めたらしい」と、続けた。
「それで」
「お前の連絡先を教えろと言って来た」
「教えたのか?」
「個人情報だ。教えるわけはない。何があったんだ」
「何もない」
「本当か」
「本当だ」
車の中で女二人とやったなんて言える訳がなかった。
「疲れた。早く帰ります」
「オーケイ」
口数の少ない所長だった。
俺はそれが気に入っていた。

喫茶店の女二人を連れ出し、タクシーを拾い、俺のマンションに向かった。
ドアを開けるといつもの雑然とした俺の部屋が現れた。
マンションといってもアパートに毛が生えたようなものだ。
1LDKで、奥が六畳の畳の部屋で寝室、手前が六畳のフローリングのリビングという間取りで、リビングの壁にキッチンが拵えられていた。
俺は先に入って、寝室やリビングに放り出されてあった寝具や衣類、下着を急いで押し入れに押し込んだ。
女二人は遠慮なしに部屋に上がりこみ、リビングの空いたところにキャリーケースを置き、それを開けた。
中にはぎゅうぎゅうに詰まった衣類や下着、書類らしきものが見かけられた。

「松岡さん」
髪の長い蘭が言った。
「おじさんでいいよ」
「わかった。じゃ、おじさん。シャワー浴びたいの」
「そこにあるよ」
リビングの横の刷りガラスのドアを示した。
「私も」
と凜が続いて言った。

二人は俺の前でいきなり衣類を脱ぎ始めた。
蘭は、体にぴったりとフィットした水色のミニのワンピースを手際よく脱ぎ捨てた。
中からは黒のシースルーのブラとショーツが現れ、それもくるくる巻き取るように脱ぎ去った。
白い見事な体が現れた。豊かな乳房と、細い腰、誘惑的な臀部だった。
腰と形の良い二本の太腿の上に、こんもりと恥毛が茂っていた。
その奥に割れ目が密やかに見え隠れした。

凜も続いて衣服を脱ぎだした。
黒いパンタロンスーツのズボンと白いブラウスをやはり無造作に脱ぎ去った。
ピンクの花柄のブラとショーツだった。
少し小ぶりの乳房、きゃしゃな胴回りと、形の良い臀部。
しかし太腿はアスリート並みの張りがあった。
ショートカットと相まって全体に敏捷で軽快な印象を与えた。
薄い恥毛の花唇の割れ目が見えていた。

二人は俺が存在しないかのように、乳房や恥毛を隠しもせずに自然に大胆に振舞った。
俺は目のやり場に困っていた。
朝方、精液を放出していたが、二人の裸体が行ったり来たりする光景に、蛇が鎌首をもたげ始めていた。
二人は浴室の中に入って、代わる代わる互いの体にシャワーを浴びせ合った。それが刷りガラスに映っていて、俺にはかなり刺激的だった。

「おじさんーん」
どちらかが呼んだ。
「おじさも入っておいでよ。体べとべとでしょ」
おれは一瞬戸惑ったが
「これも何かの縁、ままよ」
そう自分に言い書かせて服を脱いだ。

-愛人もどき。危険な女二人。