愛人もどき。危険な女二人。

愛人もどき03 三日間の愛人にしてくれませんか

狭い車内でのトリプルセックスを終えて、俺たちは公園に出た。
三人そろって早朝の清々しい空気を吸った。セックスのせいで情が移ったのだろうか、俺は二人の女に親しみを感じた。
「名前は?」俺が訊いた。
「らん。花の蘭よ」長い髪が言った。
「りん。りりしいの凜」ショートカットが言った。
「本名?」俺が訊いた。
二人は笑って答えなかった。
「じや、蘭と凜と呼ぶよ。俺は松岡太一」

俺は初めて二人の全身を眺めた。
蘭は深い水色のタイトなミニのワンピース姿。スカートから突き出ている二本の白い脚が眩しい。さっき、黒いストッキングを剥ぎ取ったばかりだった。胸元が大きく開き胸の谷間が覗いている。髪は長く緩やかに波打っている。目が大きく、分厚い唇。全身が官能的だ。

凜は白いブラウスに黒いパンタロンスーツ。ブラウスの下の乳房がまだ興奮さめやらないようで不規則にj上下して呼吸をしている。
上着は車の中に脱ぎ捨ててあった。髪はショートカット。唇は薄く意志が強そうで、薄いピンク色。知的な印象を与える顔だが、角度によては愛くるしくもある。

俺はといえば、白いワイシャツに、会社から支給された濃紺の制服のズボン。
先ほどの交尾のせいでネクタイは外してあった。
この上なく不細工な運転手姿である。

「実際、どこへ行きたいんだ」
俺が訊くと、二人は困ったように顔を見合わせた。
凜が、俺を見つめていった。その目には思い詰めたような光があった。
「三日間、二人を愛人にしてくれませんか」
「愛人?」
「三日間だけ、私たちの面倒を、見てほしいの」凜が言った。
「面倒を見る?」
「寝るところと、食事、お風呂が欲しいの。その代わり私たちを好きにしていいわ」蘭が続いて言った。
「ふざけてるのか?」
無意識に大声となった。
「ごめんなさい。スマホを貸してくれませんか?」
凜が言った。

俺は理由がわからないままにスマホを渡した。
凜が素早くボタンをタッチしてどこかへ電話したようだった。
相手が出たらしく、エエとかハイとか大丈夫ですとか、相手と何やら早口で受けごたえしていた。
そして回線が繋がったままのスマホを俺に差し出した。
「話がしたいって」
「俺と? 誰が? 何を?」
「早く!」
凜の口調は鋭かった。

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