女体の声/掌編小説集

鈴の音(09)女がアナルと前立腺を刺激する。ドライオーガズムとところてんで絶叫。r

2021/04/28

僕も彼女に倣って清流の中に身を沈めた。
飛沫の中で、女豹が笑っていた。
目と口しか見えないが、美しい笑顔だった。

教授がある日語った。
結婚したのは彼女が二十四歳の時だった。
彼女は俺のゼミに参加していた。
その美しさと、見事なプロポーションに、俺は一瞬で虜になった。

俺は彼女が欲しくて、両親に会い、結婚を申し込んだ。
支度金として1億円を出す、という条件に両親はすぐに結婚を了解した。
彼女自身は、1億円と言う金額に、眉一つ動かさなかった。

二人きりになると彼女が訊いてきた。
「私をどうするつもり?」
「君を立派な科学者にしてみせる」
「一億円なんていらないわ」
「君を所有したいんだ。一億円でも安いくらいだ」
「所有ってどうやってするの?」
「君を開発し、調教し、俺の女体として磨き上げるんだ」
「面白そう」
彼女はそう言って、俺の求婚を受け入れてくれた。

彼女は、まさに天才肌の女だ。
金よりも、好奇心に価値を置いている。そして、好奇心の幅が広い。
性的好奇心、宇宙の姿などの根源への好奇心、そして、自分の肉体への好奇心。
そのどれもを、とことんまで追い詰める力が彼女にはある。

彼女の知性はすさまじい速さで伸びて行った。
二年間で、学会に発表できるほどの力を付けた。
そして、肉体の開発にも積極的だった。
自分の膣の操作方法をすぐにマスターした。

君が味わった、膣の蠕動運動、アナルの蠕動運動、これらは、俺の開発と調教の賜物なんだ。

その、見事に開発され調教された女体が、今、川の水と戯れている。
川の中に小さな岩があった。
彼女は岩に座って、おいでおいでして、僕を誘った。
彼女の隣に座ると、再び、太陽が背を焼いた。

耳元で彼女が囁いた。

メスイキさせてあげようか?
え?
あなたがメスの様によがり狂うのよ

僕が不思議な顔をしていると、岩に向けて手を付けさせ、僕に四つん這いの型を取らせた。

お尻を上げて
アナルの力を抜いて

言われるまにすると、アナルが陽に曝されるのが分かった。

これから素敵なことが始まるのよ
力を抜いてね

彼女が優しく囁いて、アナルに舌を入れて来た。
滑っていて、柔らかだが、芯が硬い肉の槍だった。
僕は初めての感触に、思わず腰を引こうとした。
しかし、彼女の手が、腰をしっかり掴んで、僕を拘束した。

私が好きでしょう?
だから、わたしを思ってこう言うの。

好きだ
好きだ
お前が好きだ

僕は教えられた通り、呪文のように唱えた。

好きだ
好きだ
貴女が好きだ

好きだ
好きだ
貴女が好きだ

彼女は、呪文に応えるように、細い指をアナルに挿入してきた。
生まれて初めてのアナルの感覚だった。

くすぐったく
少し痛く
内部をかき回される初めての感触が走り
恐く
不安で
背徳的な喜びあり
自分が何者かに変身していくようだった。

どう?
どんな感じ?

僕にはしかし答えられなかった。

指が腸壁を擦り、まさぐり、そしてまた擦った。
ある地点で、ある個所で、ビクンと蛇身が反応し、跳ねた。
下腹部に快感が走り、背骨を駆け抜けていった。
思わず

アアアア アアアア

と声を上げた。
自分でも恥ずかしいほどの嬌声だった。

彼女は、ここだと確かめたのか、そこを集中的に刺激し始めた。
指が動くたびに快感が走った。
蛇身がのたうった。
その快感は強烈だが、射精感はなかった。

ドライオーガズムよ

彼女の声が艶めいたいた。
僕を刺激する女体が僕に触れ、アナルの快感と女体の接触感で、僕は声を上げていた。

アアアア アアアア

次いで、彼女が股間の間に手を滑らせてきて、太く硬くなった蛇身を下から握った。
そして、獣にするように、蛇身を擦り始めた。
一方の手の指は、アナルを責め
一方の手は蛇身を責めた。

やがて体が震えだしてきた。
膝から力が抜けるようだった。

僕はメスの様に叫んでいた。

イク イク イク

するとアナルの中の指がある一点を強く押した。
それに従って、制御の利かない精液が、ビュルビュルと押し出されてきた。
射精と言うよりも噴き出し、といった体感だった。
強烈な快感が走った。

ウオー ウオー ウオー

僕は叫んでいた。
脳の中が弾けていた。
自我が吹き飛んでいくようだった。

彼女の責めは続いた。
そのたびに

ビュル ビュル

と、精液が噴き出した。

それがメスイキよ

彼女が耳元で囁いた。
僕は首を捻って、彼女の唇を求めた。
彼女が優しく、僕の舌を吸った。

僕の胸元で、小さな金の鈴が切なく鳴っていた。