愛人契約

愛人契約49.愛人たちはスコールの中で幸せな接吻をr

2021/04/26

潮騒の中で由香里は目覚めた。
起き上がるとそこはクルーザーのキャビンの中で、裸の体にガウンがかけられていた。
窓からは海の上に広がる青空が見えた。
陽は西に傾いていた。
東シナ海の水平線上に、巨大な積乱雲が白熱して天空にせり上がっていた。
積乱雲の下は真っ黒で、激しく雨が降っている様だった。

音のする方を見ると、小さなキッチンで剛一が食器を洗っていた。
中年だが、ジムで鍛えた贅肉のない後姿があった。
剛一が振り向くと、そこには由香里の一番好きな笑顔があった。
「目が覚めたかい?」剛一が言った。
由香里はコクリと頷いた。
剛一が寄ってきて、お早うの挨拶のキスをした。
そして由香里の裸の肩を抱き寄せ、頭を撫でた。
「ぐっすり眠ったね。あれから四時間ほど経つよ。」
「そんなに?」
由香里は、そう言われると、身体の中を爽快な風が吹き抜けていくような気がした。

「由香里、何したか覚えてるかい?」
剛一が悪戯っぽく訊いた。
由香里は少し頬を赤らめ、小さな声で言った。

スワッピング・・・

由香里は自分が、剛一の友人の遼介に抱かれたこと。
遼介が激しく唇を貪ったこと。
遼介が自分の蜜壺とアナルを情熱的に犯したこと。
ついには遼介が自分のアナルに激しく射精したこと。
そして、最後は
美希のアナルに注がれた剛一の精液を、そのアナルに口をつけて、啜り上げて飲み込んだこと。
これらを思い出し、由香里はますます顔を赤らめた。

「犯されている由香里も素敵だった。エロティックな身体、エロティックな声だったよ。今まで以上に由香里が好きになった。」
「嬉しい」
「俺が美希を犯しているのを見てどうだった」
「厭らしいと思ったけど、本当はあまり覚えていない。アルコールに酔ってたから」
「アルコールじゃないよ。それ以上に、アクメに達していたんだ。逝ってたよ。周りはもう見えていなかったんだ。」
「止めて」
そう言って、由香里は剛一の胸に顔を埋めた。

二人はガウンを羽織りデッキに上がった。
紺碧の雄大な海が広がっていた。
クルーザーから少し離れて、遼介と美希がシュノーケルを着けて、波に見え隠れするのが見えた。
「遼介さんは美希さんを本当に愛してるのね。美希さんを見ていたら分かるわ」
「そうだね。遼介は愛するときは徹底的に愛するんだ」

沖を見ると積乱雲の影から黒い雨雲が走ってきた。
見る間に空一面が黒い雲に被われ、数滴の雨粒が落ちてきた。
「スコールだ」剛一が言った。
一分と経たない内に、数滴の雨粒は連続した雨足となり、雨足は勢いを増してスコールとなった。
「気持ちいいわ」

由香里はスコールの中でガウンを脱いだ。
スコールの中で、全裸になって、両手を上げ空を仰いだ。
シャワーを浴びるように、顔を上げ、スコールを受け止めた。
伸びやかな肢体が、乳房が、腰が、恥丘がスコールを弾いて輝いた。

剛一はその弾力のある体を抱きしめ、二人でスコールに打たれた。
激しい雨が二人を打ち付け、二人の身体を溶かし、二人を融合させるようだった。

パパ、幸せよ・・

そう言って由香里は剛一の唇を激しく求めた。