愛人もどき。危険な女二人。

愛人もどき29.後ろ座席で蘭の股の奥をまさぐり始めたブルドッグ

俺が運転して、助手席には凜、後ろ座席には社長と蘭が乗った。
快適な朝だった。
防弾車レクサスの乗り心地は最高だった。
静かで、涼しく、揺れや振動ほとんどなかった。
車は通りすぎる夏の街は光に輝いていた。
俺はタクシー運転手という職業柄、レクサスの運転には何の違和感もなかった。
というより、その圧倒的なトルク感と走りの質感に感動した。
いつも乗っている中古でガタガタのタクシーとは比べものにならないゴージャスな乗り心地である。

目指す高野山の寺院へのルートはすぐに理解できた。
シンプルに国道三〇一から三七一号線に接続し、後はひたすら道なりに走ることにした。
所要時間は約二時間と推測した。
暫くは市街地が続き、四十分も走るとやがて道は細くなり、林道となった。
舗装はしてあり二車線だが、道は狭く曲がりが多いため、対向車に気が抜けない道だった。

小さな川が流れており、それを上流にたどっていくコースである。
くねくねと道に沿って走っているうちに後ろ座席で蘭の低く抑えた声がし始めた。
バックミラーで見ると、社長が蘭の乳房を揉み、まさにブルドッグのように乳首を舐めていた。
「社長!!」俺は思わず大声を出した。
「何やってるの!!」今度は助手席の凜が怒ったように言った。

「車が揺れるたびに蘭ちゃんと体がこすれ合って、とうとうたまらんようなってしもた」
「いいのよ、拳銃とレクサスも用意してもらったから」
蘭が少し乱れてかすんだ声で言った。
「そう、ならいいわ」凜がうなずいて前方を向いた。
俺も再び運転に集中した。
暫く行くと再びワインディングロードになった。
車が左右にカーブするたびに後ろ座席で蘭の声が上がった。
気になって振り向くと、ブルドッグは蘭の乳首を吸いながら一方の手を、ずらしたパンツの、さらに奥のパンティーの中に手を入れ、恥丘と割れ目と、膣口をまさぐっていた。

ア ア ア ア

と、蘭の途切れ途切れの喘ぎ声が上がる。
「蘭ちゃん、ホンマええ体や。これで誘惑されたら逃げられへんな」
そう言いながら、今度は剥き出しになった腹部、臍のあたりを舐めまわしている。
俺は運転に集中しながらも、後ろが気になり、あるいは無意識に、うらやましくも思った。
つい、悪戯心が起きて
キュッ
と、急ブレーキを踏んだ。

キャッ
ワッ
と後座席の二人の声が上がった。
「松岡はん、邪魔せんといてや、妬いてまんのか?」
俺はそれには答えず、バックミラーのブルドッグに向かって微笑みを返した。
隣の凜もクスクス笑っていた。
俺は再びアクセルを踏んだ。
防弾車レクサスは、重厚かつゴージャスに再び走り出した。
「蘭ちゃん好きやで」
そう言いながら、ブルドッグが再び蘭の体を舐めまわし始めた。

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