ローハイド。明るく勇敢なカーボーイが僕を遠くへ連れて行った。

こんな世界があるのか。牛の群れと地平線と男たち

TV映画「ローハイド」が始まったのはいつだったか?
僕が中学生の頃だったと思う。
広大な草原を牛の群れと男たちが地平線の彼方を目指して危険な旅をしていた。
フランキー・レインの勇壮な歌声が響き渡っていた。
今では大俳優のクリントイーストウッドが若きカーボーイとして活躍していた。

フェイバー隊長(エリック・フレミング)

準主役を演じた若きクリントイーストウッド


ローハイドは、1959年1月からアメリカCBSで放送されて、日本では同年11月から翌1960年4月まで第1シーズン全22話が毎週土曜日夜10時から放映された。(Wikipedia)
令和の今、それなりの歳を取ってこの映画を思い出すと、つくづくアメリカは不思議な国だと思う。

このTVで観る頃のアメリカは
明るく
ポップで
ワクワクする国だった。
そして何より明日への希望に満ちていた。
そのときめく風が日本中に流れた。
そのため、戦争で打ちのめされた日本国民が、敵国だったアメリカのTVで一気に心奪われた。
そして日本は急速にアメリカナイズされて行った。

第2次世界大戦後、アメリカ文明は日本に限らず東南アジア、アフリカ、中近東、ヨーロッパに一気に伝播した。
アメリカが経済と軍事で巨大になったというだけでは説明がつかない。
その文明の「軽さ」「明るさ」が伝播力の核心だと思う。
当時のアメリカの象徴60年代ポップスは、特に青年たちの心に食い込んできたのだった。
50年代のエルビス・プレスリーから始まった60年代ポップスはそれ以降のポピュラーソングを大きく変えて行った。

かつて、アフリカの貧しい村で、青年がプレスリーを聴いている場面を見たことがあるが、そこにアメリカ文明の凄さを見た気がする。

とまれ、このローハイドは、私の少年期のココロを遥かかなたまで連れ出していった。

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