suguru

唇を離して俺は言った。 「今朝、桐野から連絡があった時、少し聞いたよ。君と蘭は潜水艦でフランスへ行くんだって？」 凜がじっと俺を見つめた。暫くの間があった。 「そうよ。港でお別れよ。」 「そうか」 俺 ...

三十分程経ったころ雨脚が少し衰えた。衰えたと言ってもそれなりの激しい雨だった。 ブルドッグがアクセルを踏んだ。レクサスが重厚に走り出した。ジープが追尾した。 竜神スカイラインの先は雨の中に溶け込み、そ ...

追いかけてくるドローンを撃ち落とそうと提案したのは緑川だった。 今、そのドローンが追いかけて来るのだ。 緑川と彩夏がＭ４カービンで撃ち落とす予定だが、車を走らせながらの銃撃では命中率が極端に落ちる。 ...

雨脚は一層強くなって来た。 凜はレクサスのトランクにあった備品の中からタンクトップと野戦服を持ち出した。 そしてレクサスの後座席でずぶ濡れになった服を脱ぎ棄てた。美しい身体と形の良い乳房や尻が雨に濡れ ...

とにかく俺たちは計画通り林道を走った。 雨は止むことなく林と空とレクサスとジープを濡らし続けた。 俺のスマホが鳴った。あの桐野だった。 「状況はどうですか。目的の時間まで、三時間を切りました。大丈夫で ...