悦楽の読書

秘密の電停。神代 文

秘密の電停。神代文作を読んだ

いやー、面白いです。
登場人物は4人。
・主人公 星野 光太郎
・妻 玲子
・せりな(デルヘル嬢) 姫矢美帆
・その母 姫矢百合子

この主人公と、女3人との関係性とセックスシーンがうまく書き分けら、魅力的な作品となっています。
せりなの若さとさりげない恥じらい、そして真摯さ。
元カノ、百合子との、親友的な遠慮がない会話と濃厚なセックス。
セックスレスの妻との優しい心根の遣り取り。
それぞれの章で、刺激的なプレイが描かれるが、僕は20歳のせりなとの場面が一番好きです。
やはり、中年の青春回帰願望でしょうかね?
この4人の関係をどう決着させるのか、途中で大変気になりました。
でも、杞憂でした。
第7話でのどんでん返し的な展開。お見事です。
その章だけ読むと、滑稽小説になり兼ねないですが、それまでの関係性とセックスの履歴があるために、感動的な章となっています。
全体に素晴らしい、官能エンタテインメントだと思いました。
この主人公、光一の強壮ぶりに驚かされると同時に、自分が失ったものを切実に自覚させられました。
それは、燃える性欲、尽きないスタミナ、つまり若さです。この喪失の自覚には切ないものがあります。
もう一つ、いいなと思ったこと。
主人公を初め登場人物が皆優しいことです。
みな、相手のことを思いやれる人たちです。だから、過激で濃厚シーンも癒されるシーンになっています。
これは神代さんの優しさから来るものだと思います。
一層の頑張り、期待しています。
では、また。


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