女体の声/掌編小説集

リゾートで(1)ホテルの朝立ち。口内発射。幸せなゴックン。

流れる夢の中で、私は怯えながらもがいていた。
それは、私の過去にまつわる嫌な夢だった。

暗い部屋。
獣のような囁き。
悪臭。
私の顔を貪るように舐める大きな舌。
涎が顔に塗りたくられていた。

その獣は叔父さんだった。
高校三年生の時、事情があって、私は叔父さんの家族と一緒に住んでいた。
叔父さんは時折私の部屋に忍び込んで来て、私を脅しながら、私の乳房やバギナ、アナルを貪った。

私は唸り声を上げて夢から跳ね起きた。
少し汗をかいていた。
リゾートホテルの一室だった。
カーテンの隙間から秋の朝の光が射していた。

シーツの中で私は裸だった。
隣には、彼がこちらを向いて軽いいびきをかいて眠っていた。
裸の肩が逞しく安らっていた。
あれは夢だったんだと思うとホッとした。
彼の寝顔を見つめていると、嫌な夢の断片は消え去り、霧のような不安な気持ちが晴れて行った。
今は幸せ。
ふっくらした気持ちが込み上げてきた。
嬉しくて私は涙ぐんだ。
少しだけ視界がぼやけた。

彼が無意識に腕を伸ばし、私の体を求めてきた。
彼の腕が座っている私の腰を探り当て、腕を回してきた。
悪戯っ子のような寝顔だった。
私はシーツを剥いだ。

彼の全身が光の中に浮かび上がった。
私は彼を仰向けにした。
バランスの取れた筋肉質の腕と胸と脚だった。
下腹部の繁みの中で蛇が盛り上がったまま眠っていた。
なんだか滑稽な朝立ちの蛇の姿だった。

私はぼんやりとまどろんでいる蛇の頭に接吻した。
すると、やはり無意識だろう、彼の手が私の股間を探り、恥丘を見つけ、恥毛の中に指をいれて、もぞもぞと蠢いた。
私はその手を静かに払いのけた。

私は蛇から唇を離し、手で、眠っている蛇身をそっと擦った。
ゆっくりゆっくり擦った。
擦っている内に、蛇身が太く、しっかりと堅くなって来た。
蛇身の血管が脈打ち始めた。
頭の先端の小さな割れ目から透明な液体が少し流れ出した。

オオ?

彼が目覚めて上半身を持ち上げた。
私を見つめる目が嬉しそうに潤んでいた。

彼が私の頭を引き寄せ、唇を求めてきた。
私は彼の舌を受け入れた。
彼の舌が私の舌を絡め、強く吸い上げた。

私は彼に舌を吸われながら、彼の蛇身を更にしごき続けた。
蛇身は急速に怒張し、発熱し、掌の中でのたうち始めた。
やがて限界まで膨らみ、掌の中で反り返った。
彼が私を抱こうとした。

じっとしてて
口でしてあげる。

そう言うと、彼は上半身を倒し、全身を私に任せるように仰向けになった。
彼は軽く目を閉じた。

掌の中の蛇が切なく私を求めているのが分かった。
私は蛇の頭を再び口に含み、舌で愛撫した後、蛇身を口の奥まで咥え込んだ。
私は頭を上下させて、口と舌で何度も擦った。
彼が私の頭を手で固定させ、腰の上下のピストン運動を速めた。

私は上目遣いで彼を見た。
彼の目が優しく、切なく、真剣に私を求めていた。

目が言った。

出すよ!!

いいよ。

私も目で答えた。

次の瞬間、彼は爆発した。おびただしい熱い液体が、口の中一杯に吹き付けられ、溢れかえった。
私はそれを喉で受け止め、二度三度と飲みく下した。

少し生臭くて
苦みがあって
とろみがある
不思議な液体だった。
私が好きな彼の白濁の液体だった。

飲み下しながら私は脳裏で呟いていた。

嫌な過去を拭い去ってくれる彼が好き。
愛してる。
すぐ別れるかもしれない。
でも今は幸せ。
彼が好き。
愛してる。

私は、朝の浜辺を二人で散歩している光景を思い浮かべていた。

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