女体の声/掌編小説集

鈴の音(07)女一人に男二人。3Pの快楽の渦。

教授は今度は妻をうつ伏せにしてマッサージを続けた。
伸びやかな後姿が広がった。

髪のもつれた項。
流れる首筋と背骨。
流線型を描く背中から腰。
腰から枝分かれする二つの輝く脚。
水泳の賜物か、張りと均整の取れた女体だった。

教授は掌にオイルを付け加え、肩から背中、背骨回り、腰の付け根へとマッサージしていった。
宝物を扱うような、丁寧で、静かで、しかし執拗な愛撫のようなマッサージだった。
女がシーツに顔を埋めて喘ぎ声を押し殺していた。
僕は、蛇ののたうちを我慢しながらビデオを撮り続けた。

教授の語りは続いた。
俺がなぜ、君と妻のセックスを盗撮するのか?
あるいは、この前の様に、なぜ妻を一緒に犯すのか?
教えよう。
妻の最高の美はアクメの瞬間に現れるのだ。
快楽で高まって行く時の表情は、まるで修行僧のような、苦行の顔をに似ている。
体の動きも、喘ぎも、遠い何かを求めての反応なのだ。

女体の反応は、抱いているだけでは、その一部しか見えない。
だから君に抱かれている妻の姿を、どうしても見たいのだ。
妻の快楽の全体像を掴みたいのだ。

俺からは見えない、妻の顔。
女体の陰の姿。
蛇身が突き刺さる蜜口の形と動き。
そして、ついには登り詰めた頂上での、絶叫する顔。
そして、頂上から落下してたゆたう至福の顔。
その瞬間がアクメの顔だ。
俺から見えるアクメ顔と、君にイカされた時のアクメの顔は違うものだ。
妻の最高の美、最高のエロスの姿を、その全体を観たいから、君に犯して欲しいのだ。

教授は女の尻を少し持ち上げ、二つの山を掌で揉み上げた。
豊かな白い肉が盛り上げられまた引き延ばされ、その都度、弾力ある尻がたゆたった。
微かに開かれた脚の間から、閉じた花唇の割れ目が覗かれた。

贅沢な光景だった。
心地よく降り注ぐ陽の光の下で、美しい女体がオイルと掌で癒されて、心地よい快感に浸ってた。
女体を愛撫する教授の贅沢。
それをビデオで舐める僕の視線の贅沢。
何よりも、震えるほどの快楽に浸たる女自身の贅沢。
これらが一体となって、そこに爆発寸前のエロスが充満していた。

よし、おいで。
教授は妻から離れ、今度は正対して、膝の上に座らせ、下から濡れそぼるウ花唇にグイと蛇を挿入した。

ウンッ

と唸って、女は教授に抱き付いた。
対面座位の型だった。
女は溶けるような眼で教授を見詰めた。

どう?
素敵?

女が小さく囁いた。

素敵だ。
お前の膣が動いてるよ

教授が答えた。
きっと女の膣が蛇身を咥えて蠕動運動しているのだろう。
それを体験した僕はその感触側分かった。
俺の蛇身が暴れていた。
ただ、ビデオには二人の抱き合う姿をしっかりと収めていた。

やがて、教授が体を後ろに倒した。
それにつれて、女も蛇身を蜜壺で咥えたまま、教授の上に体を重ねて行った。
アナルとそのすぼまりを宙に突き出す形になった。

カメラを離さず、こいつのアナルを突いてくれ

教授が下から妻を抱きながら僕に指示した。
僕は慌てて、カメラを落とさないように、映像が途絶えないように注意しながらズボンを引き下ろした。

女の後ろに回ると、蜜口が蛇身を貪欲に飲み込んでいる光景が見えた。
蜜口に蛇身がゆっくりと出入りしていた。
僕は、女に半分跨る格好で、アナルのすぼまりに蛇身を押し付けた。
するとすぼまりが柔らかく開いて、蛇の頭を咥え込み、アナルがキュッと蛇身を飲み込んだ。

僕は思わず

オ オ オ オ

と、声を上げた。
素晴らしい感触だった。
少しきつめの締まりと、あの膣の様に、前後に蠕動運動するアナルの襞があった。
襞は僕を締め上げながら奥へ奥へと誘い込むのだった。
蛇身を押し込むと、薄い腸壁の向こう側で、教授の蛇身ののたうちが感じられた。
初めての2穴同時責めだった。
初めて、他人の蛇身の悶えを、アナルの中で感じたのだった。

動かしてもいいが
放つなよ!
極限まで我慢するんだ!
ゆくり、ゆっくりだ

言われるままに、僕は超スローで腰を動かした。
しかし、女体はそれを裏切るように、膣と同時にアナルの襞を前後に動かすのだった。
女体の秘められた筋肉が、喜びにのたうつように、僕と教授の蛇身を貪る様だった。

教授は女の唇を吸い、乳房を揉み、蛇身を下からピストン運動させた。
僕は片手でカメラを操作しながら、片手で女の背中を撫でさすった。
僕の蛇身の悶えと苦悩が激しさを増した。
限界だった。

不意に女が振り向いた。
レンズを通して、女の目が僕をギラギラ睨んでいた。
目に涙が溢れていた。
視線が定まっていなかった。
口元が歪んでいた。

ギ ギ ギ ギ

女の喉から不気味な声が漏れだした。
同時に、膣とアナルの襞の締め付けがきつくなり、前後の動きが速まった。
それにつれて、教授の蛇身の動きが激しさを増した。
僕の腰もそれに同期して激しく蠕動した。

イクー イクー

女が叫んだ。

キャーーーーー

女の声が響き渡った。
教授が精液を放つのが分かった。
僕もついにアナルの奥に精液を放った。

女は一瞬体をのけぞらせ

アウ アウ アウ

と意味不明な言葉を吐き
突然、教授に崩れ落ちて、沈黙した。

鎮まった女体に、教授と僕の精液が、どくどくと注がれて止まなかった。

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