愛の煌めき。1分間小説。

迷路の奥で不倫の口づけ。

ビルの迷路の端は地下への階段だった。
繋いだ手が熱かった。
階段の奥底からモダンジャズの響きが漏れ聞こえていた。
古いアメリカンスタイルの扉があった。
押し開くとライブの熱狂があった。

愛してる。僕は言った。
私も。

僕たちは口づけした。
でも、今夜この人は夫に貫かれるのだろうと思った。
甘い唇だった。

-愛の煌めき。1分間小説。