スワッピング・悦楽の四重奏

四重奏33 同じベッドの二組の夫婦。オーガズムの絶叫。

夫の裕也はクンニの後、私を四つん這いにさせた。
私の腰を持ち上げ、角度を調整し、後背位の形をとらせ、十分に濡れている花唇に熱い蛇を滑らせて来た。
顔を上げると、私の前方に、壁一面の鏡があり、鏡の中には私の快楽に歪んだ顔が映っていた。
背後の裕也の腰の動きは激しさを増していた。
裕也の蛇は、蜜壺の奥まで侵入し、暴れまわった。

横では美帆と恭介の静かな性交が続いていた。
体は動かさずに、美帆のミミズ千匹が、蜜壺の中で激しく蛇を翻弄していた。
その証拠に、美帆の瞳は潤み、恭介を深く凝視し、切ない声を上げていた。
恭介もそれに応えて、美帆の瞳を見詰め、口元は快楽に耐えて歪んでいた。
二人の性交は優雅で、美しかった。

裕也の蛇が爆発寸前に来ているのが、その動きで分かった。
私も蜜壺の奥から迸る快楽に声を上げていた。
裕也は私の背中をシーツに押し付け、腰を一層引き上げた。
私はうつ伏せて腕を伸ばし、シーツに乳房と胸を埋める形になった。

突然、裕也は蛇を引き抜いた。
次の瞬間、私の背中で蛇が暴れ、その先端から熱い液がほとばしるのが感じられた。
前方の鏡の中で、裕也は私の背中に夥しい白濁の液を吹き付けていた。
やがて彼は、私の背中に崩れ落ちて来た。
私も四つん這いの脚を崩し、腰を崩し、お腹をシーツに落とした。
二人は体を伸ばし、重なり合った。

私の背中と裕也のお腹の間で、白濁した液体が押し広げられて、背中を濡らす感触があった。
裕也が私の顔を振り向かせ、唇を重ねてきた。
夫のなじんだ唇と舌だった。

隣で、美帆が甲高い声を上げていた。

イクー
 イクー

美帆の腰が激しく上下し、蜜壺で恭介の蛇をしごいていた。
薄明りの中で、美帆の鍛え上げた、世界トップクラスの体が、妖しく激しく悶えていた。
女の私から見ても、抱きつきたくなる体だった。
やがて恭介の美しい唇が強く結ばれ、歯を食いしばるようにして

出すよーー

と言って、腰を激しく蠕動させた。
美帆は、腕を恭介の首に巻き付けて彼の唇を求め、二つの脚は、恭介を捕獲するように、背中に絡みついていた。
美帆のセックスへの貪欲さが体を発光させているかの様だった。見事な体が、寝室の薄明りの中に浮かび上がり、身をよじっていた。
やがて恭介は、美帆の中で噴出したようだった。

キャー

と、ひときわ高い美帆の声が上がった。
次の瞬間、二人は突然声を失い、恭介は美帆の上に崩れ落ち、美帆はその体を愛おし気に強く抱きしめていた。

やがて、私と裕也が鎮まり、恭介と美帆も鎮った。
枕もとのティッシュで、裕也が私の背中の白濁した液をふき取ってくれた。

隣では、美帆の、蛇が抜かれた花唇から、とろりとろりと白濁の液が流れ出し、シーツを濡らしていた。
恭介が、シーツの縫い目のような部分にある、小さな紐を引っ張ると、美帆の下の、シーツの一部がはぎ取られ、下の新しいシーツが現れた。
私は、鎮まってゆく快楽の中で、このマンションの細部への配慮に感心していた。

私たち二組の夫婦は仰向けになって体を伸ばした。
大きなベッドの上で、私たちは互いの姿を存分に晒した。

裕也は無骨な顔つきで優しく私たちをを見下ろしていた。体は、少し太り気味だが、不健康ではなく、がっしりしていた。
左手は腕枕にして、私の頭を載せていた。右手はさりげなそのく、私の乳房を被ていた。
真ん中の茂みの中で、蛇が眠っていた。
私は右手で、その眠る蛇を優しくなでていた。
左手は、横に伸ばして、美帆と手を繋いでいた。

手を繋いだ美帆を、反対側から恭介が抱いていた。
恭介はモデルにしてもいいくらいの美男子で、その艶めかしい目は限りない誘惑に満ちていた。
恭介の腕の中で、美帆は幸せそうな表情で、天井の鏡の中ら、私たちを見下ろしていた。
美帆の顔は、凛とした美しさがあり、フランス、アメリカ、イタリア、どこの国のファッションショーに出ても、いつも圧倒的な存在感を放っていた。

私たちは仲のいい二組の夫婦というより、親密で濃密、そして密やかな家族になったような気がした。
今まで味わったことのない快楽の余韻が全身を包んでいた。
四十五度の焼酎のアルコールは、薄めたとはいえ、体の中深く巡っていた。
性の快楽とアルコールが溶け合って、私を眠りに引き摺り込んだ。

-スワッピング・悦楽の四重奏