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もみじ降りしきる神社の裏。手コキで彼をピュ。
私たちはコートにくるまり首だけ出していた。 紅葉に包まれた古い神社の裏庭だった。 コートの下で蛇身を上下に擦ると、彼はうっとりと私に凭もたれかかり アアア と切ない声を出した。 掌の中で蛇身が激しく脈 ...
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夕焼の空。血の色で染まっているのか。
駅が混雑していた。 電車は人身事故で長時間ストップしていた。 私は椅子に深く腰かけて目を閉じていた。 疲れていた。 やっと電車が動き出した。 目を開けると空が真っ赤だった。 人間の血が染めているかのよ ...
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夕暮れのバス停。雨が降りしきる。
秋の夕暮れの雨は冷たく切なかった。 もう彼とは絶対合わない、と自分に言い聞かせた。 私はターミナルのバス停に立ち尽くしていた。 夕暮れの濃い闇が足元から登って来た。 でも彼はきっと私を追いかけてくる。 ...
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夕陽の森。鎖に繋がれて。
夕陽に燃える森の中だった。 叔父さんが私を全裸にし赤い首輪を付た。 鎖に繋がれて森の中を連れまわされた。 途中何度も叔父さんは私を写真に撮った。 いい子だ! 綺麗だ! そう言いながら、何度も激しく私を ...
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早朝の浜辺で愛を交わして
南国のリゾートの浜辺だった。 岩陰で彼の蛇身が下から激しく突き上げていた。 私は彼の首に腕を絡ませ不安定な揺れに溶けていた。 見上げた早朝の空はプラチナ色に輝いていた。 彼の動きが速くなっていった。 ...
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愛は幻。蝶の夢。
愛は幻。 あなたはよくそう言った。 いいえ、幻が愛よ。 私はそう答えていた。 あなたは短い蝶の生を終えた。 今は命枯れる秋。 今度はわたしが死ぬ番です。 私たちの幻はきっと誰かが見ている愛の夢よ。 雌 ...
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夕焼の中、後背位で突かれて
寒い秋空だった。 熱い雲が立ち込め街全体を覆っていた。 ビルの彼方に雲の切れ目があった。 青空がのぞいていた。 それを囲んで地獄のように燃えている雲の渦があった。 あなたの秘められた花唇のようだ。 男 ...
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岬にて。不倫が終わる。
岬の先端に立っていた。 深い崖の下に白波が騒いでいた。 彼が私の唇を吸った。 甘かった。 唇を離し私たちは見つめ合った。 瞳の中に未来はなかった。 今日で終わりだね。 彼が言った。 そうね。 そう答え ...