スワッピング・悦楽の四重奏

四重奏45 レズのテクニック1。限りなく優しい指使い。r

2021/04/26

私から唇を離すと、美帆は私を見つめて言った。
聡明な瞳だった。

「由希、レズは初めて?」
「うん、美帆は? 」
「海外で仕事するようになってからよ」

美帆は簡単に語った。
モデル業界は、特に、国際級のファッションモデル業界ではレズが多いこと。
舞台裏で次のステージの衣装に着替えるとき、何人ものモデルたちと、下着姿や、場合によっては、裸身を晒し合うことがある。
互いに、互いの体を見てしまう。その内、引かれる相手が現れてくる。
まさに、レズの温床だと言う。

また、モデルたちは、ショーの前は強いストレスに曝される。
心が折れそうなときもある。
落ち込むときもある。
酷いときは絶望感さえ抱く。

そんな時、宿命的に、ふと目を合わせ、互いが求め合っていることを瞬時に理解し、了解することがある。
そして、スケジュールの合間を縫って、愛し合う。
ストレスが強いほど、レズの快楽は強くなるという。

私が訊いた。
「何人ともしたの?」
「複数の相手がいるわ。パリ、ミラノ、ニューヨークに」
「愛し合ってるの?」
「体を交えると、愛おしくなるわ」
「日本には?」
「いない。だって、スキャンダルが起こりやすいし、夫もいるし、ややこしくなるから」
そう言って、美帆は笑った。
「私とならいいの?」
「業界が全く違うし、中のいい夫婦の奥さん同士だし、あなたと逢っても誰も不思議に思わないわ」
「それだけ?」
「それに、あなたは、魅力的よ。知的で、瞳が輝いていて、素敵な身体をしている。私と波長が合うの」
私は彼女の唇に軽く接吻した。

さらに美帆が言った。
「由希、あなた、ストレスが溜まってるでしょう」
「ストレスかしら?」
「何が有ったの?」
「言えない」
私と藤枝の関係は、絶対的な秘密だった。言いたかったが、それはできなかった。
「言わなくていいわ」
美帆はどこまでも優しかった。

美帆が私の乳房を撫でた。
撫でながら、優しく揉んだ。

「由希、レズビアンのテクニックを教えてあげる。」
そう言って、美帆は私の服を全部剥ぎ取って行った。
私も彼女を剥いだ。
私たちは全裸になり、唇を寄せあった。

「あなたが好きよ」
美帆はそう言って、乳房の手を、っくりと首筋へと移動させた。
移動させ這わせながら言った。

まず第一に、指先での、フェザータッチでの限りなく優しい愛撫よ。
撫でながら、相手が感じる部分を探して行くの。
頬から、首筋、胸元、乳房の横、脇腹、お腹・・・
そう言いながら、美帆は私の体を指先で軽く撫でて行った。

私は、指先が肌を辿るたびに、体がビクつくのを感じた。
その感触は、限りなく優しく、限りなく優雅で、時には触れるか触れない程の軽やかさでだった。
また、時には、私の反応をみて、その場所で、少し強く、あるいは執拗に愛撫を繰り返した。

私は、脇の下、乳房の横の膨らみ、太腿の内側で快楽が走るのを感じた。
美帆はそれを見逃さず、集中的に、しかし、あくまでも優しく、指の動きにバリエーションを加えて愛撫した。
私の呼吸が速くなって来た。